2014年2月28日金曜日

科学における誤り

STAP細胞に関する論文がNatureから発表され、その結果は、大きく世の中の注目を集めました[理研プレスリリース(STAP細胞)]

その後、この論文の実験結果を再現できないという報告が寄せられているそうです。これを受け、理化学研究所が調査に乗り出したようです[参考]。
上記のSTAP細胞に関する研究の正否はこれから調査されていくでしょう。


科学において、誤った結果を発表してしまうことは、悪いことなのでしょうか?また、その責任とはどれほどの重さなのでしょうか?

超光速ニュートリノの実験でケーブルが緩んでいるミスがあったことは記憶に新しいです。この誤った実験の結果を発表したことで、グループのリーダーが辞任をしたようです[参考]。

誤った結果を発表するということは、職を辞さねばならぬほどの大罪なのでしょうか?


科学においては、たとえ誤った結果を発表したとしても、後にその結果が検証されます。 懸賞の際に、結果に誤りがあれば、修正されるのです。

科学とは、新しい発見とその検証のプロセスを繰り返すことによって、堅実に進展していくものです。個人的には、たとえ誤った結果を報告してしまっても、その誤りが故意でなければ、職を辞するほどの責任はとらなくても良いと思います。責任のとり方は、誤りを認め、その結果を修正すれば良いのです。

誤った結果を発表した場合に、職を辞さねばならぬほどの、あるいは降格・減給と言った処分をされるような状態になってしまったら、研究者が萎縮して新しい発見を世に発表することができなくなってしまいます。これは、誤った結果を発表するよりも、科学に大きな損害を与えかねません。
なぜならば、誤った結果というのは、その先の検証のプロセスによって棄却され修正されるのに対し、萎縮して発表されなかった新たな発見というものは、人類から永遠に失われてしまう可能性がある方です。

もちろん故意に誤った結果を発表する、という不正行為は許されるものではありません。しかし、故意ではないミスや考え違いによって生じた、"誤った結果"の発表というのは、許されるべきものではないでしょうか。

これから、たくさんの"誤った結果" が発表されていくでしょう。その時に、必要以上の責任を取らされて、辞めていく研究者がいなくなることを祈ります。

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