2014年9月22日月曜日

物理学会と応用物理学会における学生の発表

日本物理学会と応用物理学会の両方の年次会、及び秋季大会に参加させて頂いている。
これらの学会を通じて、最近感じたことがあるので書き残しておくことにする。


物性基礎の研究をしている私にとっては、物理学会で行われる講演の方が、
個人的興味を引くものが多い(あくまで、個人的感想)。

しかしながら、物理学会の講演の方に、一つ残念に感じることがある。
それは「学生の発表のクオリティ」である。

応用物理学会での講演では、学生発表でもしっかりと研究成果を出したものを、
しっかりと発表練習して、講演の場に持ってきているように感じる。

これが物理学会での講演になると、学生発表では、研究成果がまだ出る前のものや、
ちゃんと練習をしてきていないような発表が目立つ。

この学生発表の質の違いは、それぞれの学会の雰囲気をそのまま表しているようにも思われる。
応用物理学会では、ほとんどの参加者がスーツ着用で、
また、企業からも たくさんの方が学会に参加していて、
学会がかなりフォーマルな雰囲気を持っている。

これに対して、物理学会では、ほとんどの人がスーツを来ておらず、
企業の方の参加者数も少ないように感じる。
そして、学会自体の雰囲気はゆる〜い感じのものとなっている。

この"ゆるい雰囲気"は一重に、物理屋さん達が、
「物理を理解すること、及び発展させること」 を最も大事なものとして、
その他の雑多なこと(例えば、フォーマルな服装をするなど)には、重きを置いていない
ことに起因していると思われる。(私は、このゆるい雰囲気が好きである。)

しかしながら、一部の学生(あるいはその指導教員) が、このゆるい雰囲気を勘違いしてしまって、
研究と発表の両方において、完成度の低い講演が増えてしまっているのが、
現在の物理学会の現状ではないかと思う。

物理学会は"日本の物理学"を発展させるための最も重要な基板の一つだと思う。
この物理学会の質を向上させることで、日本の物理の質を向上していってほしい。

この"日本の物理学の発展"に関する事柄として、
「JPSJ(Journal of the Physical Society of Japan)を盛り上げる」
というものがあるが、これについては、別の機会に記事にすることにする。




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