ラベル 院生ライフハック の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 院生ライフハック の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年8月30日日曜日

英会話上達のためのトレーニング法


「英語でコミュニケーションが取れる」ということは、研究者にとって欠くことのできない能力の一つです。しかしながら、我々、日本人にとって、外国の研究者と英語でコミュニケーションをとるということは、そう容易いことではありません。

ここでは、私が英会話スキル向上のために行った2つ方法について紹介します。
研究者を志す読者の皆さんの参考になれば幸いです。



英会話練習法その1.英語ニュースのリスニング&シャドウィング

相手との英会話が成立するためには、「相手の英語を理解すること」と「相手が理解できる英語を話す(発音する)」ことが必要不可欠です。この二つの能力を伸ばすために、私は英語のニュースを聴き(リスニング)、さらに音声に合わせて発音する(シャドウィング)練習法を行いました。


リスニングとは、言わずもがな、英語のニュースを耳で聴くことです。このリスニングで、相手の英語を聴いて理解する能力が伸ばせるはずです。
シャドウィングとは、聞きなれない言葉かもしれませんが、英語の音声を聞いたら即座にその音声をオウム返しする練習法です。英語を聞き取り、即座にその英語を反復することで、「英語を聴く能力」に加えて「英語を話す(発音する)能力」も向上できるはずです。

私の場合は、VOA Learning English (https://www.youtube.com/user/VOALearningEnglish) の3分程度の動画(Educational report, Technological report, Health reportなどから)を用いて上記のリスニング&シャドウィングを行いました。具体的には、次のような流れで一つの動画(3分程度)を10回使います。

英会話練習の流れ

1回目: 英文を見ずに、音声のみを聴いて、ニュースの理解に挑戦する。
2回目: 英文を見つつ(分からない単語を調べつつ)、もう一度ニュースを聴き理解する。
3,4回目: 英文を見つつ、音声と同時に英文を読み上げる。この時、英文の真似をしながら発音をすると、より自然な英語の発音が身に付く。
5-10回目: 可能な限り、英文を見ずに、音声のみを聴いて英文をオウム返しする。英文を見ないと厳しい場合は、英文を見てもよいが、8-10回目くらいには、文章を見ずにシャドウィングができるとよい。



英会話練習法その2.オンライン英会話

「英語練習法その1.の英語ニュースのリスニング&シャドウィング」では、「相手の英語を理解する能力」と「相手が理解できる英語を発音する能力」が培われますが、実際の会話では、「自分の考えを自分の英語で発言する能力」も重要となってきます。この能力は、決まった(与えられた)英文のトレーニングを繰り返す「その1の練習法」では、なかなか身に着けることはできません。

この「自分の考えを自分の英語で発言する能力」を鍛えるためには、実際に英会話をするという方法以外に練習法は無いように思います。しかしながら、日本に暮らしている日本人にとって、実際に英会話をする機会はあまりないように思います。そこで、この英会話の機会を増やすために、私は「オンライン英会話」 に挑戦しました!

当然のことですが、英会話の能力は英会話を実際に行うことで劇的に向上します(英会話をせずに英会話能力を向上させるのは至難の業)。 実際に、このオンライン英会話は、私の英語力向上に大きく貢献してくれました。この練習法のおかげで、外国人共同研究者に、「内緒だけど、君のBossより君の英語の方がgoodだよ」 と褒められる?にまで至りました。

オンライン英会話にも色々と種類があるのですが私は「DMM英会話」の毎日2レッスン(25分×2回)プランを用いて、毎日、英会話に励んでいます。残念がら、私は他のオンライン英会話を利用したことがないので比較のアドバイスなどはできないので、他のサービスについては、皆さんで調べてもらえると幸いです。

最後に:「継続は力なり」

上で二つの英会話練習法を紹介しましたが、英会話スキル向上のために重要なことは、"継続すること"です。どんな練習法でも、2,3日で急激に英会話スキルが向上することはありません。一カ月、二か月、と練習を繰り返していくことで、徐々に、しかし確実に能力が向上していくのです。そのことを忘れずに、日々、英会話の練習に励んでいってください。
英語が話せるようになると、世界が大きく広がります!頑張ってください!

2014年11月23日日曜日

MicroSoft Office の小技:作業メモ

Microsoft Office (Word,Excel,PowerPoint)で作業する際の小技メモ

~効率的な作業のために~


全般(Word,Excel,PowerPintすべて)

 -文字を上付き・下付きにするショートカット

選択した文字を上付き・下付きにするためのショートカットは
上付き: Ctr+Shift+;(コロン)
上付き: Ctr+; (コロン)

2014年11月13日木曜日

修士課程で到達するべきレベル

修士課程学生は、どの程度のレベルに達すれば修士号に値するのか、あるいは、どの程度のレベルに達すれば修士号がもらえるのかという基準が気になるだろう。

修士号がもらえる基準というのは、同じ研究室に先輩たちがいれば、その先輩たちを見れば大方の検討はつくだろう。そして、どの程度の時間を研究に費やせばよいのかも、自ずと見えてくるはずだ。

持論では、修士課程の学生は平日6時間程度研究室に滞在する(cf.朝10時頃に研究室に来て16時頃に帰る)というくらいが最低限の研究時間ではないかと思う。
また、修士号を取るレベルとしては、学会発表ができる程度のレベルではないかと思う。


しかしながら、上も見ても下を見てもきりがないのも事実である。
これから修士号を修める学生は、その学位に恥じない程度の実力をつけて世に出て行ってもらいたい。

2014年9月27日土曜日

論文用・発表用の図の作り方-gnuplot練習例題

gnuplotを用いて、論文や発表のスライドに使えるクオリティの図の作り方を紹介します。
ここでは、デフォルトの設定で書いたFig. 1 からどのように最終版のFig. finを作るかを説明してきます。



Fig. 1  デフォルトの設定でのプロット。

Fig. fin 論文用の図の最終版。

デフォルトのプロット

デフォルト・オプションの図は以下のpltファイルを用いて作成しました。
plot01.plt
set term postscript eps enhanced color
set output "plot01.eps"
p [0:10] sin(x) w l,cos(x) w l,sin(x)+cos(x) w l
unset output 

それでは、このpltファイルを修正して、より質の高い図を作っていきましょう。
次のような順序で、このFig.1 からFig.fin へとバージョンアップしていきます。

Plot02: 線を太くする。
Plot03: 見えにくい来緑色を暗い緑色を修正する。
Plot04: 描画する範囲を設定。
Plot05: x軸とy軸に名前を付ける。
Plot06: 文字の大きさ、フォント、及び破線の長さを設定する。
Plot07: 凡例をつける 。


Plot02: 線を太くする。

まずは、図を見やすくするために線を太くします。
線の太さは line width (数字) のオプションで変更することができます。
また、このline width オプションは lw と略して記述することもできます。
以下の plot02.plt の例では、lw 6 のオプションを追加することによって線を太くしています。
このplot02.pltによって描かれた図を図.2に示しています。

plot02.plt
set term postscript eps enhanced color
set output "plot02.eps"
p [0:10] sin(x) w l lw 6\
,cos(x) w l lw 6\
,sin(x)+cos(x) w l lw 6
unset output

Fig. 2, plot02.pltによって描かれた図。

Plot03: 見えにくい来緑色を暗い緑色を修正する。

次にgnuplotのデフォルト設定で描かれる黄緑色を修正します。
デフォルトの黄緑色は、スライドや論文に使うと非常に見づらいです。
ここでは、この黄緑色を暗い緑色に変更しています。
gnuplot で線の色を変更するにはline color オプションを使います。
このline color オプションもlcと略して記述することができます。
通常はlwなどと同様に、lc 2 のようにlcの後に数字を記述することで色を指定することができます。
しかし、ここではrgbコマンド lc rgb "forest-green" を使って、暗い緑色を直接指定します。

plot03.plt
set term postscript eps enhanced color
set output "plot03.eps"
p [0:10] sin(x) w l lw 6\
,cos(x) w l lw 6 lc rgb "forest-green"\
,sin(x)+cos(x) w l lw 6
unset output

Fig. 3, plot03.pltによって描かれた図。

Plot04: 描画する範囲を設定。

次に、図を見やすいように描画範囲を設定します。
x方向,y方向の描画範囲はそれぞれ set xrange[0:10] set yrange[-1.8:2.6] などと記述して指定することができます。
さらに、軸のメモリの間隔を set ytics 1 などと記述して調整することができます。

plot04.plt
set term postscript eps enhanced color
set output "plot04.eps"
set ytics 1
set xrange [0:10]
set yrange [-1.8:2.6]
p sin(x) w l lw 6\
,cos(x) w l lw 6 lc rgb "forest-green"\
,sin(x)+cos(x) w l lw 6
unset output

Fig. 4, plot04.pltによって描かれた図。

Plot05: x軸とy軸に名前を付ける。

次に、x軸とy軸にそれぞれ名前をつけます。
軸に名前を付けるためにはset xlabel 及び set ylabel オプションを用います。
以下の例では、x軸を時間 Time (secoond), y軸を電場 Electric field (V/m) としています。

plot05.plt
set term postscript eps enhanced color
set output "plot05.eps"
set xlabel "Time (second)"
set ylabel "Electric field (V/m)"
set ytics 1
set xrange [0:10]
set yrange [-1.8:2.6]
p sin(x) w l lw 6\
,cos(x) w l lw 6 lc rgb "forest-green"\
,sin(x)+cos(x) w l lw 6
unset output

Fig. 5, plot05.pltによって描かれた図。

Plot06: 文字の大きさ、フォント、及び破線の長さを設定する。

次に、図中の文字の大きさ、フォント、及び破線の長さの調整を行います。
Fig.5までの図では、図中の文字が小さくてスライドや論文に載せた時に見づらいです。
これを改善するために、図中の文字サイズを大きくします。
文字サイズ・フォントを指定するためには font コマンドを用います。
以下では、 font "Arial, 24" と記述することで、文字サイズを大きくしています。

また、図中の緑色の破線青色の点線の区別が難しい状態になっています。
これを改善するために、破線の長さを伸ばして、より破線らしくします。
このためにset term の後にdashed dashlength 5 を追加します。
この dashed dashlength の後の数字が大きくなるほど、破線の長さが伸びます。

plot05.plt
set term postscript eps enhanced color font "Arial, 24" dashed dashlength 5
set output "plot06.eps"
set xlabel "Time (second)"
set ylabel "Electric field (V/m)"
set ytics 1
set xrange [0:10]
set yrange [-1.8:2.6]
p sin(x) w l lw 6\
,cos(x) w l lw 6 lc rgb "forest-green"\
,sin(x)+cos(x) w l lw 6
unset output

Fig. 6, plot06.pltによって描かれた図。

Plot07: 凡例をつける 。

最後に、それぞれの線に凡例をつけます。凡例を付けるためには、title オプションを用います。
以下の例では、 title "Applied" などと記述して、それぞれの先に凡例をつけています。

plot07.plt (plot_fin.plt)
set term postscript eps enhanced color font "Arial, 24" dashed dashlength 5
set output "plot07.eps"
set xlabel "Time (second)"
set ylabel "Electric field (V/m)"
set ytics 1
set xrange [0:10]
set yrange [-1.8:2.6]
p sin(x) title "Applied" w l lw 6\
,cos(x) title "Induced" w l lw 6 lc rgb "forest-green"\
,sin(x)+cos(x) title "Total" w l lw 6
unset output


Fig. 6, plot06.pltによって描かれた図。Fig. fin と同じもの。


 
 

2014年9月26日金曜日

Intel C++/Fortran コンパイラの非商用利用ついて

Intelは非商用利用に限ってC++/FortranのCompire (icc/ifort)を無料で提供しています。
http://software.intel.com/en-us/non-commercial-software-development

問題となるのは、非商用の範囲がどこまでなのかということ。
研究者が研究のために使ってよいのか?学生が課題のために使ってよいのか?

実は、IntelのQ&Aにその答えが書いてあります。
http://software.intel.com/en-us/articles/non-commercial-software-faq

非商用利用で認めているのは、いかなる形でもこのintelのコンパイラを用いることで報酬を得ないという使い方を意味しているようです。
したがって、研究員が研究へ使ったり、教員が教育のために使ったりするのはダメだそうです。
また、学生が課題のために利用する場合は、スチューデント・ライセンスを使いなさいということのようです。
(詳細は原典を確認してください。)

みなさん、権利をしっかり守って利用しましょう。

2014年9月23日火曜日

複数のepsファイルの形式をまとめて変換するLinuxコマンド

Linux上で複数のeps画像ファイルをまとめて他形式に変換するには
mogrifyのコマンドを用いればよい。
このmogrifyコマンドはImageMagicのconvertコマンドの拡張となっている。
具体的な使い方は次のようなものである。

mogrify -density 200 -background white -flatten -alpha off -format png *.eps

ここでは、カレントディレクトリ内にあるすべてのepsファイルをpng形式に変換している。

最初のオプション -density 200 は画像の大きさを200%に拡大して画像を変換することを意味している。-density の後に入れる数字が大きなるほど画像ファイルサイズが重くなるが、その分、形式変換後の画像が綺麗になる。

次のオプション -background white -flatten -alpha off は、epsファイルから他の形式に変換した際に、背景色を白とするためのものである。このオプションがないと、形式変換後に、画像の背景が透明となり不便が生じる場合があるので、いつもつけておくほうが無難である。

最後のオプション -format png は選択した画像ファイルをpng形式に変換すること意味する。
このpngの部分をgifやjpegと変えることで、様々な形式の画像ファイルへの変換が可能となる。

最後の *.eps の部分は拡張子を変換したい画像ファイル名を入れる。ここでは、ワイルドカードを用いて、カレントディレクトリ中のすべてのepsファイルを表す *.eps を用いてる。

2014年3月6日木曜日

院生が身に付けるべき能力

院生はなんのために大学院へ進学するのでしょうか?
理由は人それぞれだと思いますが、アカデミック業界への進路を考えている人は、
院生時代に次の能力を身につけなければなりません。

1. 研究を遂行・完結させる能力
2. 科学のセンス(物理的直感)

1.研究を遂行する能力というのは、例えば実験手法、プログラム・コードの作り方、あるいは計算の手技などの能力です。
これに対し、研究を完結させる能力とは、研究の成果を発表するための論文やスライドを自分自身の手で作ることができる能力です。

学生のときは、指導教員の助けを借りて、研究を遂行し、その成果を発表することができますが、
博士の学位を得て、ポスドクとなった後には、多くのことを自分自身でやらなければなりません。
研究を遂行・完結させる能力がないと、研究は進まず、また成果をまとめることもできずに、もはや研究生活が成り立たなってしまうでしょう。

したがって、アカデミック業界を目指す院生は、学生時代に研究を遂行・完結させる能力を身に付ける必要があります。


院生時代に重要なもうひとつの身に付けるべき能力が科学のセンス(物理的直感)であす。
優れた研究者(物理屋)は、その優れたセンスで、様々な現象を発見・理解し、新たな概念を作り出していきます。
院生は、その院生時代に、このセンスを養わなければなりません。
このセンスを磨くためには、指導教員や同世代の院生との議論を通じて、自分の科学に対する考えを深めていくことが重要です。

院生は、日々、日夜、同世代の院生と黒板の前で延々と議論することが重要です。
この科学の議論を行っていく上でのコツがあるので、後日、新たに記事を書こうと思います。

2013年11月26日火曜日

教科書・参考書の読み方

研究者(の卵)たるもの、日々、勉学に励むべきででしょう。
しかしながら、どうにも教科書というものは難しい気がします。
頭の良さそうな同期は、スラスラと先に進んでいるように感じてしまう一方で、
自分は理解がそれほど速くなく、なかなか先へ進めない・・・
そう感じている学生はたくさんいると思いますし、多くの人が経験してきた道だと思います。

なぜ教科書をスラスラ読める人とそうでない人がいるのでしょうか?
どうすれば教科書をスラスラ読むことが出来るようになるのでしょうか?
この記事では、そんな教科書・参考書の読み方について考えていきたいと思います。

参考書を読む速さの差の原因

参考書を読む速さに差が生まれる理由の一つに、"前提知識の差"があります。
前もって多くのことを知っていれば知っているほど、参考書を読む速さは増していきます。
これには、大きく2つの理由があります。

1つ目の理由は、その参考書を読み進めるために必要となる前提知識を身につけていることによってスムーズに参考書に書いてあることを理解していくことができるというものです。
例えば、電磁気学の参考書を読んでいる時に、ベクトル解析の関係式を使う場面が多々出てきます。この時、ベクトル解析が何たるかを理解できていなければ、何度も公式を見返したり、意味を考え直したりしなければならず、たくさんの時間がかかってしまいます。

もうひとつの理由は、参考書の内容をすでに前提知識として、ある程度知ってしまっていると、参考書の関連する部分をさらっと読み飛ばしてしまうことができるからです。
つまり、すでに知っていること(既知の事柄)は理解しやすく、まだ知らないことは理解しがたいという至極単純ですね。
 しかし、このもうひとつの理由 が教科書・参考書の効率的な読み方を考える上で重要なのです。

教科書・参考書の読み方

** 続く **

2013年11月23日土曜日

top500とは:世界スパコンランキング

先日、2013年11月のTop500が発表となりました。

Top500とは、スーパーコンピュータの世界ランキングでです。
その名の通り、毎年6月と11月に、1位から500位までの世界のスーパーコンピュータの性能のランキングが発表されます。

今回は、中国の天河二号(Tianhe-2)が実行性能33862.7TFlopsで世界1位となりました。
続いて、
17590.0TFlopsでアメリカのタイタン(Titan)が2位、
17173.2TFlopsでアメリカのセコイア(Sequoia)が3位
となりました。

2011年6月と2011年11月に1位となった、日本の京コンピュータは10510.0TFlopsで4位となりました。

ここで突然あらわれたTFlopsが、スパコンの性能を表す単位です。
Tは10の9乗を表すテラ (Tera)、FlopsはFloating-point Operations Per Secondの略で、1秒間に浮動小数演算(実数の足し算や掛け算)を何回できるのかの能力を表しています。

京コンピュータの10510.0TFlopsは1秒間に約10の13乗回(=10000×10の9乗回)の演算ができます。
この10の13乗が京に当たるので、京コンピュータという名前が付けられたそうです。

2013年11月18日月曜日

卒論・修論の進め方;卒論・修論が進まない学生へ

なかなか卒論・修論の執筆が進まなくて、悩んでいる学生が多いようです。
ここでは、そんな学生のために、どうやったらガリガリと執筆が進むのかを紹介していきます。

本題に入る前に、執筆のキーワードは「とにかく書く、勢いで書く」という事を述べておきたいと思います。
人は、考えたらなかなか書き進められないものです。口から言葉を話すように、思っていることをどんどん書いて行きましょう。前後の関係が多少おかしくても気にせずどんどん書いて行きましょう。
どうせ、後で推敲するのです。たとえ、どんなに考えこんで論文を書いたとしても、必ずあとから推敲することは変わらないので、はじめはまず勢いで書く、ということが重要です。


では、学位論文を書く手順を紹介していきます。

手順1.
まず、はじめに学位論文の章立てを行なってしまいましょう。
可能なら、ある程度細かい節の組立も行なってしまえるとよいですね。
例えば、以下のように章立てし出来るとよいですね。

序章 
- 研究背景
- 最近の発展
- この研究で用いる手法の背景
- この研究で行うことの概要
1章 研究法の説明(理論など)
- 理論Iの解説
- 理論IIの解説
2章 理論Iによる解析
- 理論Iを用いた計算の詳細
- 理論Iを用いた計算の結果
- 理論Iを用いた計算の解釈
 3章 理論IIによる解析
- 理論IIを用いた計算の詳細
- 理論IIを用いた計算の結果
- 理論IIを用いた計算の解釈
  4章 理論Iと理論IIの比較
- 理論IとIIの結果を比較・解釈
- 新たな知見とその検査
5章 まとめ
- まとめ


手順2.
章立て、あるいはさらに節の組立が終わったら、次は本格的な執筆に入ります。
論文の頭から、組み立てた骨組みに従って、どんどん文章を書いて行きましょう。
書いている途中で、新たな節が必要となることもあるでしょう。その時は、どんどん節を追加して書いて行きましょう。
ただし、この執筆中に気を付けなければいけないことは、勢いを大切にするということです。
冒頭でも述べたように、人間は考えたら書けなくなってしまう生き物です。
言葉を話すようにどんどん文章を書いて行きましょう。途中で、前に書いた内容を書き直したい気持ちになることもあると思いますが、そこはぐっとこらえて、まずは最後まで書き切ることに集中してください。
推敲する機会はいくらでもあります。

手順3.
ここから、論文の推敲に入っていきます。ここで、重要なことは、この前の手順までで原稿を最後まで書ききっていることです。
なぜなら、曲がりなりにも、もう原稿が書き終わっているという状態は、精神的な余裕を生み出します。締め切りが厳しい卒論や修論 では、この精神的余裕は重要です。焦れば焦るほど、まともな文章を書けなくなってしまうのもまた人間です。

したがって、ここからの作業は荒っぽい原稿(初稿)をよりよいものにしていく作業です。
その手順としては、まず初稿をプリントアウトして、読んでみます。
この時、次のようなことに注意して、初稿に赤ペンを入れていきます。
- 新たに追加したほうがわかりやすい節はないか。また、その場所はどこか。
- 現在ある節の場所は、ここでよいか。あるいは、どこへ移動するべきか。
- 現在ある文章は、必要か。削除可能か。
などなど。
文章が論理的に矛盾していないかということと、よりわかりやすく伝わるためにはどうすればよいのかという事を考えながら、その修正案を、赤ペンで初稿に書き入れていきます。

赤入れが終わったら、その修正案にそって第二稿を作ります。この第二項は、初稿とは大きく変わったものになってしまうかもしれません。
しかし、それは大きな修正をして、よりよい論文になったという事に他なりません。

第二項ができたら、またプリントアウトして赤を入れていき、第三稿を。
第三項ができたら、またプリントアウトして赤を入れていき、第四稿を...
というように、満足するまで、あるいは締め切りまで、ひたすら、赤入れと修正をセットにした推敲を繰り返していきます。

もし、指導教員が、学生の原稿をちゃんと読んで指導してくれるような方なら、完成した第二稿あたりを見てもらい、助言を貰うと良いでしょう。


論文執筆のキーワードは「とにかく書く、勢いで書く」ということと、最後に述べた「ひたすら推敲」の2つです。

皆さん、卒論・修論の執筆頑張ってください。


2013年11月6日水曜日

ファインマン物理学がついに公開 (Fineman lecture)

あの有名な物理の教科書ファインマン物理学(Fineman lecture)が公開となり、誰でも読めるようになりました。(下記リンク参照)
http://feynmanlectures.caltech.edu/

物理学を志す学生も、その他の理系の学生も、科学が好きな文系の学生も、ぜひこのファインマン物理学に挑戦してみてはどうでしょうか!
ただし、英語版しかないので、日本語で読みたい方は、大学の書籍部やAmazonなどで買ってみてください。

かく言う私も、まだファインマン物理学は読んだことがありません。
研究の合間に、ちょこちょこ読み始めてみようかな。


2013年10月30日水曜日

Google Chart API のテスト

Google Chart API というGoogle が提供しているサービスで、htmlでtexコマンドを用いてwebページに数式を表示できるのだとか。

ちょっと試しに
<p><img src="http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx
&chl=i\frac{\partial}{\partial t}\psi(x,t)=\hat h(t)\psi(x,t)" />

とhtmlで書いてみると、



このようにシュレーディンガー方程式が掛けました。
これは、いろいろ使えそうです。

英語力の分類

大学院生になって研究を始めると、論文を読む・書く、国際会議で発表を聞く・話すと英語力が必要となる場面が増えてきます。

大学院へ進学する頃には、おおざっぱに数えて、中学で3年間、高校で3年間、大学で1年間と計7年間(もちろん人によります)も英語を勉強します。しかしながら、これだけで英語を身につけるのはなかなか難しいのが現状であると思います。
実際に、私の周りの大学院生も、修士課程1年の学生は、なかなか英語の読み書き、あるいはコミュニケーションには苦労しているようです。

多くの大学院生はこの英語力の足りなさに焦り、英語力の向上を心に誓います。

 さて、英語力とは何でしょうか?
英語力を伸ばすためには、英語力とは何なのかを理解する必要があります。

英語力は次の4つの能力からなります。
1. 英語を読む力  (Reading)
2. 英語を書く力   (Writing)
3. 英語を聞く力   (Listening)
4. 英語を話す力  (Speaking)





1つ目は「英語を読む力 (Reading)」です。研究を行なっていく過程では、論文を読んだり、共同研究者から来たメールを読んだりする場合に必要となる、英文を読んで理解するための能力です。
この能力は、他の3つに比べて、わりと早く必要となります。なぜなら、研究とは、過去の偉人たちの残した人類の知の上に、さらに新たな知を積み重ねていく作業であり、過去に積み重ねられてきた人類の英知を知るためには、過去の論文を読む必要があるからです。

2つ目は「英語を書く力 (Writing)」です。研究成果を論文にまとめたり、共同研究者へメールを出したりするときに必要となる能力です。

3つ目は「英語を聞く力 (Listening)」 です。国際会議やセミナーなどで、発表を聞いて理解するために必要となる能力です。ときなどに必要となる能力です。

4つ目は「英語を話す能力 (Speaking)」 です。この能力は、今度は自分が国際会議やセミナーで発表するときに必要となる能力です。

英語力を身につけるということは、これら4つの力(Reading, Writing, Listening, Speaking)の能力を伸ばしていくことに他なりません。

「自分には、今、どんな能力が足りていなくて、どんな能力が必要なのか?」という問題意識を持つことが英語力向上の第一歩です。
そして、伸ばしたい能力を意識して、トレーニングをすることでより高い効率で英語力を向上していけるでしょう。

 

2013年10月29日火曜日

才能と努力


今話題の、「為末大さんのつぶやき」に関した話題です。
為末さんがつぶやいた、成功するためには才能が必要だという、内容。
激論を読んでいるようです。

成功するかどうかは、まず99%は才能だそうです。
この発言に対して、多くの共感をよんでいる一方で、否定的な意見もちらほら。

僕は、成功するためには才能が必要不可欠だと思っています。
才能があって、初めてその世界で成功できる。

この言葉って、過激なようですが、実は、「人には向き、不向きがある」ってのと同等な言葉なのだと思います。
 だからこの言葉は、「才能のないやつは、一生負け犬」 という意味ではなく、
「自分の力を発揮できるフィールドで勝負して、勝っていこう」という意味を秘めているのです。

最近、気になっていることは、「自分には能力がない」 、「自分には価値がない」と思っている人があまりにも多いということです。
たしかに、ほとんどの人はオリンピックへ出場することはできないし、プロ野球選手やサッカー選手になることもできない。

しかし、そういう普通の人たちも、プロのアスリートにはできないことを、やり遂げる力をもっているはずなのです。
 重要なのは、「自分に何ができるのか・何をしたいのか」です。

まずは、己を知ること。
これが、重要な処世術です。



2013年9月16日月曜日

国内出張準備

ここでは学会や研究会、共同研究者との議論などのための国内出張の備について解説する。
発表資料や議論資料の準備はもちろん必要だが、ここでは特に移動・宿泊の準備について解説する。


1.移動について
国内で移動する場合には、大きく分けて2つのパターンがある。
一つが、飛行機を使う場合。もうひとつは、飛行機を使わない場合である。

飛行機を使わない場合は、移動日の前日までに行きと帰りの経路と時間を調べましょう。
簡単な方法としては、目的地と出発地(多くの場合は、研究室か?)の最寄り駅を調べ、
ジョルダンなどのWebサイトで行きと帰りの電車の乗り換えと時間を確認する方法があります。
到着の最寄り駅から到着地までの道順は、google mapなどで調べることができる。


飛行機を使う場合は、前日から準備というわけにはいかない(原理的には可能だが)。
飛行機を予約する必要があるからだ。
ただし、移動経路を調べる方法は、先ほどと同様に、出発地と到着地の最寄り駅を
ジョルダンなどのWebサイトで調べると、途中でどの空港を利用すればよいのか、という事も
調べることができる。あとは、調べた飛行機の日程に合わせで、航空会社から航空券の予約を
行えば良い。

結局のところ、いづれの場合も、出発地と目的地の最寄り駅間の移動を ジョルダンなどのWebサイトで調べ、駅から目的地までの移動をgoogle mapなどで調べればよい。


2.宿泊について